土田京子に会いに来て下さい!

  2019.8月28日  音楽の友社 会議室で。

 

 「土田京子のティーチング・プロジャクト」を開催します。

 いらして下さ〜い!!

 

 音楽の友社の雑誌「ムジカノーヴァ」に「和声学び直し塾」を連載して

およそ1年。これまでの話題を基に、実際の和声課題の解き方と、一部、

名曲で和声がどのように息づいているかを、実演、お話ししよう、という

試みです。雑誌の誌面でお会いするだけでなく、このブロク上でお会いする

だけでなく。

 

 土田京子に 会いに来て下さい!     お待ちしています。

 

時: 2019.8.28.(水)10:30〜12:30

所: 音楽の友社 2F フェニックス会議室

    (地下鉄東西線・神楽坂駅・1番出口より徒歩1分)

受講料: 2000円

教材:  ムジカ・ノーヴァ2019.5月、6月号

定員: 先着30名  五線紙と筆記用具持参のこと

申込: http://ontomo-shop.com/

            E-mail:musica_ontomo@ongakunotomo.co.jp



「和声法」と楽曲分析は どうつながるのか。

 去年の今頃、信じられない程の酷暑の中で、ウンウン云いながら書いた新しい和声の本が、

間もなく書店に並ぶだろうと思います。

詳細はまだここには書けませんけれど、我ながらなかなかよく書けている、と校正をしながら

ニンマリしています。しかし、これには編集者の腕前が大きくかかわっています。

その「影の立役者」に、本当に感謝。

 

 その中でも書いているのですが。

 

そもそも、「和声法」が人々に嫌われた大きな理由は、「このなかなかに厄介なもの、

唯々、ルールを並べただけに思える本を頑張って読み、課題を解く苦労は、一体何の役に立つ

んだろう」と云うのが、とても沢山の学習者の偽らざる感想であろうと思うのです。

 

音楽をよく理解するために、どうしても要るんだよ、と先生に云われて。あるいは入って

しまった音楽大学という「檻の中で」やらないという選択肢はなかったから勉強してます、

という学生さんにとって。「そこんとこのつながり具合を解らせてよ!」という想いは

つよいと思うの。

 

さて、今日の朝。頃はお盆に差し掛かる酷暑の中を、一人の弟子が「先生、ヴァルトシュタイン

の1楽章の分析を教えて下さい」とやって来ました。 Beethoven が1802〜3年に書いた

ピアノ・ソナタの傑作です。

 私にはとても嬉しい注文。そう、私はピアノ学習者が、自分の弾いている曲に、曲の本質に

ほとんど興味を持たずして、唯“Task・しごと”のように弾くのを、哀しく思って来ました。

この女性は、私と和声法の勉強をし始めて4年程。「さらい方勉強会」にも参加して1〜2年に

なります。

「さらい方勉強会」とは、まずは自分が弾いている曲が何を訴えようとしているのか、どんな

感情を聴き手に伝えたがっているのかに目を向けよう。それが解れば、どういう手順で練習

すれがいいか、さらい方(練習の仕方)が見えてくるだろ?という会なのですが。

 

突然の電話で、「個人レツスンして下さい」と。

 

 この曲は弾く技術としても難易度は高い。それだけに、ピアノ椅子に座る前にしておかねば

ならないことがいっぱいあるのです。

 

 Beethovenの人生の、どんな時期に書かれたのか。(57歳で死んだ彼の、32〜3歳の作品)

◆ヾつの楽章があるのか。各楽章に与えられた表情記号は? 調性・拍子・それぞれの小節数

  を列挙しておく・・・  これは全体の演奏プランに大きな参考になります。

 まずは1楽章です。主題はどんな形をしているかな?どこまでが一塊? 調はどんなふうに

  移ろうているかな?

ぁ〃措阿浪拭 一番可能性か高いソナタ形式を疑ってかかるんだが、だとしたら、第2主題は

  どこにある?

ざっと挙げただけでも、この位はある。そしていよいよ、曲の詳しい観察に取り掛かるのです。

 

 この時、和声法の力がモノをいう! あ〜、この主題は和音の交代がはっきりしているなぁ、

とか、う〜ん、ここの所はず〜〜っと、同じ和音が続いてるゾ。どうしてなのかなぁ。どう

弾かせたいのかしらん。このフシ、綺麗なメロディだなぁ、その時の和音交代の具合と、フシと

ベースラインの設定がなんて絶妙なんだろ、素敵。あ、転調してる!なんて具合に。 

こういう場面で、てきぱきと、自らの疑問に応えられるように下準備をしておくのが、「和声法

を学ぶ」の本当の目的なんです。

 

昨日の彼女は「ふ〜ん、私、随分見落としをしていましたねぇ。」とため息をもらしておりました。

でも、私、言ったんです。「私は嬉しい。あなたが和声法のクラス来てくれて、辞めないで頑張った

お蔭で、このなかなか複雑な曲を分析しないでは弾けないことに気がついてくれた。だからこうして

一緒に勉強出来たんだもの。」と。ホントにホント。

 

あなたも「好きな曲を知る旅」をしませんか? ご一緒に!

 

   2019.8.12. 土田京子

 

 

 



説き語り音楽塾 in 練馬を見・聴きに来てください!

2019年8月からの予定。

 

・2019.

・ 8/27(火) 10:00~12:30

・ 9/  3(火) 10:00~12:30 この日で今年度は終了。

 

 2019.10.1 新年度が 開講します。 新しい仲間を待っています。

       費用・規約など お問い合わせ下さい。

 

 

 音楽史の把握は、音楽を学ぶ上でとても役に立ちます。

 こちらのクラスを、是非一度、ご見学下さい。

 

 これまでの通り、「フランス様式の和声法を学ぶ」は、そのまま継続しつつ、残りの時間で

グラウト=パリスカ著 「新・西洋音楽史」を読んでいます。私の解説を少々まじえつつ。
まずは「ギリシャ人は音楽をどう捉えていたのか」・・・
21世紀の現代人に、何のかかわりがあるの? とお思いの方もあるかも知れませんが。
いえいえ、これが面白い。私たちが「クラシック音楽」と呼び慣わしているものは、大方
「16世紀後半からの時代に、中西部ヨーロッパで愛されていた音楽」かと思いますが、
ヨーロッパの文化文明の源、ギリシャの人々の世界観を知ることによって、その源流とは
何だったのかを想像出来る。 ワクワクするような知の冒険です。
2016年の10月から始まった、私にとっては7年ぶりの、楽しい心旅が続いています。
2019.8月現在、第1巻が終わり、第2巻も2/3進んで。なかなか面白くなって
来ています。
年度途中からの参加も歓迎します。
途中からの参加もまったく問題はありませんので、是非、一度このクラスを覗きにいらして下さい!
    (すべて火曜日)
 
 
 
 


2019.8.20. 滋賀・唐崎 曲の分析


   2019.8.20.(火) 

      滋賀県・唐崎クラス               

    

       塾生たちの熱心な希望に動かされて、このメンバーにとってはかなり久し振りの
   「バッハ平均律・フーガの分析」を再開しています。
      
フーガの分析を、納得の行くまで付き合って教えてくれる教師、というのは実に少ない。これは誠に大きな不幸です。
     私が14歳(中学2年)から大学卒業まで、ピアノを教えて頂いた「遠山つや先生」は、20世紀ドイツ・ピアノ
     界の重鎮・エドヴィン・フィッシャーの弟子だった。第1次大戦後のベルリンで、フィッシャーのクラスに
     日本女性が、と考えるだけでワクワクしてしまう。我らにとっての大変な先達だった方です。
     
      エドヴィン・フィッシャーと言えば、バッハの演奏に定評があり、私も初めてフィッシャーのバッハを、復刻された
     CDで聴いた時は、本当にゾクッとしましたよ。 何とも言えない風格があって。
      従って遠山先生のバッハのレッスンはとても厳しいものでした。おまけに私が作曲科の学生、ときているから
     ピアノ・レッスンにフーガを持っていく度に「ここはどういう形になってると思う?ちゃんと考えて、調べて、
     解って弾きなさいよ」と仰られた。

     一方、作曲の師・矢代秋雄先生がこれまた、大のバッハ好き! 勿論、分析は細かく教えて頂いたし、ユニークな
     指使いの知恵とか、曲の理解についての発見とか・・・「ねッ、君ィ。ここの所、どう弾いてる?僕さぁ、ふっと
     思いついたんだよ!ここ、こういう風に解釈すると、曲がかなり姿を変えてみえるだろ?だからぁ・・・」
     こういう時の先生は本当に嬉しそうで、まるで小さい子供が、石ころの宝石を見つけた時のようなのでした。
     そんな風に、とても幸せな学生時代を過ごしたものだから、バッハの楽譜を読んでいることは、本当に面白くて
     仕方がない。

     しかし、世間一般、ピアノの先生をしている若い人たちの多くは、「バッハは苦手」という人が案外多い。
     特にフーガは難解だ、と思われているようです。その「思い込み」(あなたがお持ちでなかったら何よりですが)
     を打ち破りたい、とクラスでの勉強を再開します。
新しい方の参加を歓迎します。

     とりあげる曲: 2019.7.14.  平均律1巻のNo.13

   京都・大阪・博多と、次第に広がる「土田塾」の滋賀版。JR唐崎駅から徒歩8−9分の距離です。
   興味のある方の見学を歓迎します。

    次の回 2019. 9
.17.(火) 


   HP「お問合せ」からお申込み下さい



2019.8.21.(水) フランス式和声法を学ぶ in 博多

 

 フランス式和声法を学ぶ in 博多

2019. 8.21.(水) 10:15~12:30


会場: 博多市東区 なみき音楽場   JR千早駅前

 テオドール・デュボァ の「和声法」からフランス方式の和声法を学び始めた私たち。
 今は少し進化してアンリ・シャランの「380の和声課題」への取組みも次第に板に

   ついて来ました。
  

 初めての方には、土田京子の「説き語り和声法」(今は「和声法がさくさく理解できる本」という

 タイトルの文庫本)をテキストに選ぶ方も。初心の方も歓迎します。

 土田の2冊めの和声の本・「スーパー和声法」は、2018.8.20.「和声法がぐんぐん身につく本」と

 して、こちらも文庫本になりました。こちらは課題が充実していて好評。こちらから始めるてみても

 いいですね。

 進度はさまざまで、和音外音を駆使する人、初歩から一づつ小石を積み上げていく人・・・

 違いを見聞きしつつ、自分の歩を進めるのは楽しい。

 

  2019.5月は「楽曲を観察する」の月でした。Haydn 野弦楽四重奏曲「皇帝」を分析した

  のですが。

  担当に当たった人々の努力は凄かった! 素晴らしく整頓された分析を書面として用意し、細かい

  展開や変奏をとらえるために書き抜き(主要なメロデイーを書き抜く)にした一覧が一同に提供

  されたのです。

  私は嬉しかったですねぇ。すべからく、勉強というのは準備がすべて、ですから。

 

  現在、「曲の観察」は弦楽四重奏を取り上げています。オーケストラのスコアのなじむ前段階の

  充実を図ろう、という訳です。

 

  次回・・ 2019. 9.18.(水)は和声の月。

  次々回・・ 2019.  10.16. (水) は分析の月。取り上げる曲は只今検討中。



  和声法を学ばないで、西欧古典音楽を演奏することは出来ません。
 音楽の成り立ちを内側から支える「和声法」それなのに、この西欧伝統の音楽
 技法ときっちり向き合い、「手を取って」教えてもらえる場所は、本当に
 少ないのです。新しい仲間の参加を歓迎します。

  素敵な仲間のおかげで、10年以上も続いている貴重な勉強の場。
 メンバーは変わっても、学ぶ情熱が受け継がれていることは素晴らしい。
 どうぞのぞきにいらして 下さい。        

 

⁑ 和声の月には銘々が、書いて来た課題を土田が見て問題点 を指摘する。
  仲間との見比べによって自力で問題点を見つけて行く人もいます。

  1か月に1度しか会えないので、その間は「通信添削」で補います。
 
⁑ 昨年末から我らの新しいメンバーになって下さった二人も、すっかり馴染んで、
  たのしく勉強を続けて
います。  嬉しいこと。                   

   あなたもどうぞ、見学にいらして下さい。
   
申し込み・当HPの「お問い合わせ」からどうぞ。



2019.8.22.(木) 博多 いつもの音楽史


2019年
    8
月22日(木)10:00〜13:00   

    

  会場:JR 箱崎 徒歩5分   田中音楽教室にて

   ●
10:00〜12:30  
    
 

   昨年からは始めた「はじめての音楽史」(片桐 功・久保田慶一他 共著)が

   面白い!

   
        音楽の始まりであるギリシャ、次にものすごい広さの大帝国を

   築いた紀元前の古代ローマ帝国の時代、そしてキリスト教が

   すべてを覆い支配した中世のこと。
   音楽の歴史を外側から包んでいる「ヨーロッパ・って何なのだろう」

   という疑問を解きほぐしてみたいのです。
   一層の「知の世界旅行」を試みて。

    

    更に。 お知らせです。最近はピアノが使える会場が取れましたから、

    昭和の日本が生んだ天才作曲家・三善 晃氏が初めてピアノを学ぶ人に

    遺して下さった「三善・メソッド」を1巻からひも解いて、これまで我々が気付いて

    来なかったポイントを拾い上げて行きます。

    ピアノの先生方、ご自身を再発見するために、お弟子さんに、新しい素敵な

    プレゼントとしてのレッスンを展開するために、ご一緒に学んでみませんか?

          三善 晃 氏は、私の師匠・矢代秋雄 の大親友でした。

    音楽史を90分、メソッドを60分の予定です (12:30終了予定)

    新しい方の見学を歓迎します。
   
 ・次の回: 2019. 9
月19日(木)    会場は田中音楽教室にて 

          三善メソッド2巻と6巻から

           


 ・次の次: 2019. 10月17日(木)    会場は田中音楽教室にて 

  

     申し込みは「問合わせ」からどうぞ。

  ● 
  個人レッスン (ピアノ・楽曲分析・和声法)  
     今月は一人のレッスンを予定。見学をご希望の方は
     ご相談下さい。今の所、もう1コマのピアノ個人レッスンを募集しています。



「音楽の読み方・さらい方勉強会」2019.7月8日(月)

この勉強会は「楽譜からどうやって音楽を読み解くのか」が勉強の主眼です。
毎回、熱心に聞いて下さる会員に支えられて、私自身も、新しい発見もあり、楽しく勉強しています。


 まずはBach Invention ・2声 から始めて3声・Symphoniaに挑みました。

 2声と3声は単純に「声が一つ増えた」ということに留まらない意味があります。「3声の1番」

では、まずは2声を歌うことをみっちり実践。複数の人と声を出して歌いあってみると、本当に

いろいろな発見があるものです。3声に増やすに際して、ちょっと躓きそうになるのは内声のとらえ方。

これは慎重に、本当に神経を集中して「心の中に降りて行って聴く」を実践して欲しい。

 かなりフーガに近い構造を持つ3声・3番を学び、3声・Symphoniaの中でも最も魅力的で、しかし

演奏するには最も注意深くなければならない9番に挑戦。会員の一人の素敵な演奏もあって、大変充実

した例会を持ちました。

そして、いよいよFuge に分析に進みました。この「フーガ」というもの、どうしてこんなに敬遠される

のだろう、と思う位、「敬して遠ざけられて」います。それは、この最高度に洗練された対位法様式に

よる楽曲の構成を、きちんと教えてくれる人が少な過ぎるから。

 

と続いて来たこの会。「少し他も見てみたい」という会員の声に応えて、しばらくバッハをお休みします。

新年から「和声を基にした音楽」へ軸足を移して。

 

「普段生徒に教える曲の分析と演奏の結びつきを探ろう」プロジェクトが快調です。 実は、これが

私が一番やりたかった分野なのです。ご一緒に探検してみましょうよ!

 

 2019.7.8.(月)   Mozart Piano Sonata  K.284

          

次の次・の日程は、7/8に話し合います。

 

 

     参加費: 3回一括  12,000円
          回毎    4,500円

 



和声法・通信添削のその後

2018.3月に「和声法を通信添削で学ぶという冒険」という記事を書きました。

 

何人かの方からお問い合わせを頂き、中には通信を利用しつつ、月に1回ほどの対面レッスンに、東京・練馬の

私のスタジオまで足を運んでくれる人も出て来ました。嬉しい進展です。

 

和声法を通信だけで、というのは私が書きましたように「なかなかの冒険」なのです。

和声法の伝授は少なくとも「集団授業」で、理想としては1対1の個人レツスンで行われます。

しかし、学校教育の場では和声法に出会えなかった。だけど、大好きな音楽と付き合って行くうちに

和声法の重要さに気がついた。だが、どこで勉強できるんだ??という方々の為に、いろいろと

困難はあろうけれど、「通信で学ぶ・という冒険」に敢えて踏み出したのでした。

 

そして、様々な「今までの経緯」を持った方々に出会いました。

結果、それは「よい船出」だった! 確かに困難はあるけれど、皆さん、熱心なんです。

私にとっても、素敵な冒険。幾人かの方との、実りある経験が続いています。

 

新たな参加者の出現を、ワクワクしながら待っています。



マリア・カラスを知ってますか?

2019.1月。 「私はマリア・カラス」という映画を見て来ました。仕事先の

博多で。ちょっとした時間の切れ目に。

この、20世紀最大の天才歌手が没して42年、今にしてまったく色褪せない

彼女の才能に改めて出会えた幸せな2時間だった。

 

 私は若い頃を、オペラとはほとんど無縁に過ごしてきた。唯々、自分の

目の前の勉強に追いまくられていたからだ。「音楽で生きて行きたい」と

思い染めた中学生の頃。高校・大学の受験。大学生時代の恩師の、強烈な

「シゴキ」・・ 学生を終えれば、社会の中でどうやって自分の立つ場所を

見つけられるのか。結婚、子供、海外転勤。女の20代はなんて忙しかったん

だろう。 

 

そして、36になった時。とんでもない才能のピアニストに出会って。

意を決して、本当に意を決して「教えて下さい」と門を叩いた。そして言われた

ことは。「あなた、モーツァルトのオペラ、幾つ見ました?」・・・

 

オペラというもの、私の年代の日本人には、一番遠い所にある科目ではなかった

ろうか。何しろ、日本人が演じるオペラは、まだまだ発展途上にあり、外国からの

「来日公演」は、それこそ「高峯の花」だった。(高値の・・でもあって)

しかし、そのハンガリー人ピアニストに言わせると、「モーツァルトの曲を

弾こうと言うのに、彼のオペラを見たことがない、なんて考えられないわ」と。

 

 今では「まったく以てごもっとも。当然至極です」と思います。が、しかし・・・

 

そうしてしばらく、私はオペラを見まくった。当時はまだDVDが主流ではなく、

レーザーディスクかビデオの時代。本物も、お財布はたいて観はしたが、とても

追いつきませんからね。

 

そうこうするうち、マリア・カラスの盛名を知ることになる。初めて接した時は

驚きましたね。「何なの、この人」って感じ。すごい声量、技術、図抜けた容貌

等など。加えて、ギリシャの大富豪・アリストテレス・オナシスとの華麗な恋。

アオナシスの前・アメリカ大統領夫人・ジャクリーヌ・ケネディとの電撃結婚

etc・etc。 話題豊富な事と言ったら。

 

しかし、今回のクロニクル的映画で、この歌手のとんでもなさを改めて思い知った。

映画には、沢山の彼女の最盛期の舞台での熱唱が取り上げられるのだが、どれを

見てもとにかくすごい! 彼女の素晴らしさは、声の中に住んでいる得も言われぬ

「抒情」だと思う。本当にその役の「心情」をカラスは、天から与えられたその「声」

という資質を使って、余すところなく吐露する。 多くの人が彼女の歌う劇中人物に

涙したというのもうなずける。

 

 このブログを読んで下さっている方も。どこかで見つけて、観て下さるといいなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



ある音楽高校生との1年半

 そのお嬢さんが、私の生徒の紹介でわがスタジオへやって来たのは、1年半程前のこと

でした。

ある音楽大学の付属高校の1年生。音大付属中学から高校へ進んだ所で、私の専門である

「音楽理論科目」の授業内容が急に難しくなって、困っている。何とかこんがらがった頭の

中の糸をほどいて欲しい、というご依頼。

 

高校1年、というのは実にいいタイミングです。子供であり過ぎることもなく、とても

吸収力のある年代ですから。

付き合って見ると、この学校の勉強内容はなかなか緻密で、クラスの仲間の程度も高い様子。

「いい学校に通ってるのね」、なのですが、それだけにちょっと気を抜くとすぐに「今の

話なに?」って具合に、不安な思いが膨らんでしまうらしい。

 

幸い、彼女は頭の片付いた子で、こっちの話を理解するのも早い。何に困っているかを説明

できない子が多いのが、私の専門分野の特徴なのですが、このお嬢さんは「ここから解らなく

なった」というポイントを教えてくれるので、仕事がやり易かった。

それでも、課せられる課題内容はなかなかのもので、一緒に挑戦し、何とか自力で答えを

出せる所まで手を曳いてゆくのは、そう簡単ではありませんでした。

「たまたま、コーチを見つけられたあなたはいいけれど、ガイドなし・でこのペースに追い

付いていくのは、大変ねぇ」と、よく二人でためいきをついたものでした。

 

 和声法の捕え方の解説、解答の書き方、実作の添削・・・ 一緒にする作業は沢山あります。

しかし、楽しいですね、こういう仕事は。若くて、吸収力のある頭と付き合っていると、自分も

元気が出ますから。

 

そうして時が過ぎ、彼女は春には3年生。いよいよ専門のピアノにより多くの時間を割かねば

ならなくなって、私の許を"卒業"して行きました。

基礎理論の勉強に「目鼻がつき」、そろそろ大学での希望の形を手に入れるには、ピアノに注力

したい、とは、当然のことではあります。

「そろそろ、弾く曲の分析に進もうかなぁ」と考えていた私には、ちょっぴり名残惜しい幕切れ

ではありましたが、いかに内部進学とはいえ、受験生であることには変わりがなく、いわば

正念場を迎えようとしている彼女の背中をたたいて送り出したのでした。

 

 私の希望は、高校生位から和声法をきっちり仕込んで、大学に進む頃には「楽譜の裏側が読める

人」になっていて欲しい、というものです。このお嬢さんはかなり順調に進歩してくれていたので、

さて、これから・の時だったのですが。まぁ、自分の力でしっかり立てる大人になって欲しいもの

だと思っています。

 

 高校生の内から「和声法」の大切さに気がついてくれる子が、これからも増えていってくれると

いいのですがねぇ。それには、親御さんの理解と、楽器の先生の後押しが必要です。

大人同士の連携の道も探らなくては。       2019.2.月

 

 

 

 

 



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