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 ロンドン ぶらり・ぶらり

2015.6.19.にカンタベリーからロンドンへ移動。この国の電車の料金システムは、実に煩雑!乗り方でひどく値段が違うのです。カンタベリーに滞在中の友人のガイドがあればこそ、何とか値段と時間の釣り合いを取り、不慣れな我々でもこなせる時間帯などを見つけられたけれど、唯の旅行者であったらとてもとても・・・

このイギリス式合理主義は凄いと思うけど、やっぱり日本式ゆるやかさが懐かしい。友人曰く、「物事の枠組み、システムを作ることにかけては世界一、の民族がイギリス人です」と。このやり方に適合するのに必須なのは、PCと決してあきらめない熱意。住んでいれば、自然に慣れて行くのでしょうがね。

 我らのロンドンでの宿は、これもこの友人の紹介で知った「日本人が経営する一戸建ての宿」。東京で言うと、山手線のターミナルから156分私鉄に乗った所という駅から徒歩4分。閑静な住宅街の素敵な住宅でした。部屋はゆったりとしたスペースと、長期滞在者には嬉しいであろう、たっぷりの収納付。

階下にはとても広いキッチン+ダイニングと、日本語の本がぎっしり詰まった書棚のあるリビング。これじぁ住みたくなってしまう。ロンドンでゆっくり過ごしたい方には、とってもお勧め、の宿でした。お値段も、この状況にしてはリズナブルですし。

さて、朝食の買物と思って駅の反対側が賑やかそうなので歩いてみると。ポーランド食品屋さんの多い事。東欧出身者が多いのは、歩いている人の顔立ちからも解る。

又、あちらこちらに「ハラル・ミート」の看板。後で同宿の人に教えてもらったのですが、これはイスラム教の定めに従って屠殺された肉、イスラム教徒が食べてもいい肉ですよ、という意味なんですって。つまり、イスラム教徒が多く住む地区だったのです。異国情緒満点!

スーバーに入ってもキョロロキョロしっ放しの私です。我らの宿へ行く出口方向は、まったく白人しか歩き進んで行かないのに。すぐ近くなのに、ブロックで、はっきり住む人の雰囲気が違う、というのが我らにはとても珍しかった。

 今まで20回近いヨーロッパほっつき歩きを経験して来ましたが、いつも10人近い人数で、主として音楽の講習と夫の料理をするのを目的とした旅でした。今回は初めての二人旅であることから、パリでもロンドンでもこうして自分で料理が出来る、食の自由度の高い宿を使った。という事は、スーパーでも土地の人の食生活にぐっと近づくことが出来た訳で、これが私にはとても面白かったのです。このロンドンの宿では、最後の2日間、同宿の方々との「さよなら日本食パーティー」を夫が提供。盛り上がりましたねぇ。 近況報告をしたカンタベリー在住の友人からは、「折角、倖三さんと四日も暮らしたのに、ここの台所を借りる交渉をするんだったなぁ。彼の料理を食べられたなんて、ロンドンの見知らぬ同宿者がしみじみ羨ましい」とのメールが帰って来ました。

ホント、あんなにお世話になりまくったのに、夫の料理、という何よりのお返しをして差し上げられなくて、申し訳ありませんでした!!

 

 さて、ロンドンでは。まず第一の用事は現在私が深く関わっている「英国王立音楽検定」の本部を訪ねる事です。出発の直前に日本での検定が有りまして、ロンドンから来た検定員の通訳を務めた。その彼女が書いてくれた地図を頼りに中心街にある本部を訪ねました。BBC本社の目の前にあるそれは、なかなかセキュリティーの厳しいビルで。約束してあった日本との折衝担当の青年は、愛想よく我ら夫婦を迎えてくれました。小1時間の「表敬訪問」を終え、この検定のテキストの展示・販売状況を見ようと、「ロンドン・ヤマハ」へ。

何だか懐かしいような気分です。東南アジア・ヤマハの最大拠点であったシンガポールのオフィスで、5年間、毎年3週間の強化合宿訓練を担当した頃を思い出しました。しかし、ヨーロッパ、殊にイギリスでの日本製ピアノの販売と言うのは、想像していたよりもはっきりと「高級品扱」なんです。ヤマハは。

へぇぇ〜、という感じ。日本よりずっと高い値段で売られている!40年以上前、英連邦の一員・カナダでの情景を思い出しました。当時のトロントでは、ヤマハピアノなんてとても買えない値段でしたよ。「運賃払って持って行って、思いっきり弾いてから、売っていらっしゃい」と勧めてくれた友人の言葉に眼をまん丸くして、(素人が使い古しのピアノを売ってくる?そんなの無理だわ)と思って持たずに出かけた20代の私。本当に後悔しましたもの。まぁ、これは昔話ですが。

 この帰りに入ったヨルダン料理の店、というのが意外に美味しかったんです。世界には実にいろいろな料理があるものなんですナ。

直ぐ近くに「Sushi shop」(持ち帰り専門)があったので覗いてみると。日本人に見えた店員は韓国の人で、値段は手軽なテイクアウトの店にしては「う〜ん・・」といった感じの強気値付け。ここでも「日本食は高級」ムードの名残が感じられました。うまい商売をしています!

 さて、6月21日、ロンドンの“Barbican Hall”でロンドン・シンフォニーの「第九」を聴きました。現今のネットの威力は素晴らしく、日本の自分のPCからさっさとこの日の切符を買うことが出来るのです。

地下鉄を降りて、Baebican Centerを目指します。ちょっとウロウロして、でも行き着いた。外国の音楽ホールへ出かけて行く楽しみの一つは。女にとってその国、その街の女たちのコンサートファッションを見ること、というのもあるのです。オペラハウスだとそれは一層際立ちますが、ロンドンのオーケストラは、思ったよりも「平常心」でしたね。勿論、とっても素敵におシャレを楽しんでおられる女性もありますが、比較的日常のいでたち、という感じでした。

 さて、肝心の演奏の中身は。指揮:ベルナルド・ハイティク。

1929年生まれ、今年86歳になるこの巨匠の棒で、手勢であったロンドンフィルで「第九」を聴く!しかも所はロンドンで。と来れば、一般的に言って音楽好きなら多大の期待を抱くカードです。しかし、残念ながら、この長大な曲を振り切るのは、巨匠の体力には少しばかり過重であったようにお見受けした。途中で、何だか音楽に勢いがなくなるのです。これは残念でしたね。更に。合唱団のアンサンブルが、もう一つなんですよ。第九の成否を握っているとも言える合唱の迫力に疑義があっては困ります。4人のソロ歌手と云えば。それぞれは力量もあるのでしょうが、4人が謳い合い最高潮を盛り上げるシーンでのアンサンブルに多きに問題が。相手を聴いてるのかいな、と言いたくなるように、自分の声ばかりに専念しているようで。ちょっと頂けなかったのです。

ウ〜ム・・・少し寒い気持ちで会場を後にしました。

旅も終わりに近く、ちょっと寂しい経験でした。