年の暮・・私の風景

私と家族は、お盆と正月は遠くへは行かないことにしています。だって、あの混雑! 故郷が遠い方は

本当に大変だと思います。でも、それを押して帰りたい気持ちも解り過ぎる位に解るので、東京の家に

「お籠り」して過ごすことにちょっと感慨を持ちつつも。

 

と云いながら、今年の夏は15歳と12歳の孫を引き連れて、酷暑のイタリアを歩いておりました。

それはそれは、暑かったです!!! しかし、子供というものは、チャンスのある時に連れ歩かない

と、金輪際、一緒には出掛けられなくなります。おばば様と致しましては、少々無理をしても、

ヨーロッパ文明発祥の地(くわしく言えばギリシャ・かも知れませんが)であるイタリアを彼らと

共に歩きたかったのです。

 

いろいろな事は起こりましたが、とてもとても有意義で、楽しい旅になりました。今回は完全に

彼らのアテンド。ですから、夜、酒飲む相手がいないことと、オペラやコンサートに行けな

かったのがちょっと不満!でも、まぁ、それも最初から解ってのことですからね。

それともう一つ。出来る事なら、もっと「事前勉強」を重ねてから出掛けたかったのですが、

15歳の息子は、今年の春に受験勉強から解放されたばかりの高校1年でしたから、4月の入学から

初めての夏までの間は、学校に慣れることに費やされてしまったのは仕方のない事でした。

塩野七生さんの「ローマ人の物語」(文庫本で全43冊)は、1年半前から渡してあったの

ですがねぇ。ま、彼らは若い。いつの日か、私がかじりつくように読んで読破するのに1年半を

要した、此の最高に面白い本を読んでくれるでしょう。これを読んで置くかおかないかは、

イタリアを歩く時間を倍、3倍も面白くしてくれます。  なかなか、「歴史大好きおばば」の

思いは満たされないのですが、彼らが育つ傍で「あれが面白い」の「あれを読んでおけ」だのと

叫ぶおばばの存在を「そう言えばばぁばはこれの事を云ってたんだ」と思い出してくれる日を

楽しみに。その時は、多分、私はお空の上・ですけどネ。

 

で、月日の過ぎるのは年々そのスピートが上がりまして、もう、年の暮です。

師走に入って13日は「事始め」。俳句を嗜むようになって27年、お蔭で季節の行事に敏感になり

ました。

この日から「年越しの準備を始める日」という意味です。京都に部屋を持っていた時分、街を

歩いていて、「おう、今日は・・・」と気付かせられることがありました。祇園の近くを歩いて

いると、正装した芸妓さん舞妓さんに会うのです。それはこの日、祇園町では井上流の舞の

お師匠さんに、芸・舞妓さん方が銘々可愛いお供え餅を献納し、師匠から「今年もよう、

気張らはりましたな」と、ご祝儀を頂いて帰る、という風習が有るのだそうでして。

 

更に詰まっていた仕事のスケジュールが一段落した快晴の師走初日。ちょっと遅くなったけど、

と神宮の銀杏を眺めに行きました。我らにとっては「二人吟行」です。専ら俳句を作る為の

「お散歩」。最盛期は凄い人、なんですがもう人影はまばらです。しかし、皆さん手に手に

スマホかカメラ。一体いつから日本人は総カメラマンになったんだい?と云いたい。

大したもんですなぁ。 我らはただのんびりと歩く、歩く。時々ベンチに腰を下ろして。

あぁ、すっかりご隠居さんになったなぁ、と感慨を持ちながら。

しかし、これもいいもんですよ。40代、50代は息つく暇もない、って感じの忙しさだったし、

60代も結構動き廻ってました。ここへ来て、ちょっぴりゆとりが出来たかなぁ。まだ、

カレンダーに「一日、誰も来ない、どこへも行かない」つまり、お散歩・に出かけられる日を

探すのはなかなか大変だけども。

 

そして、師走10日。高輪の泉岳寺へふらりと出掛けた。後4日で「義士祭」です。何年か前、

偶然にこの祭りに遭遇したことがあります。義士に扮した人の行列が行き、沿道は大した

賑わいでした。その時、活躍していたのがお相撲さん。手間を掛けなくとも、髷を結って

ますからね!! へぇ〜、そういう利用法があったか、と一緒に居た友だちと、エラく

感心したことを思い出します。

極く普通の日ですから、参拝の人もチラホラで静かなもの。ゆっくりと墓を見て回れます。

全員に切腹した時の年齢が刻まれていますが、十八歳、十七歳、というのが在って、

胸を撞かれる。孫が出来てから、こういうのに弱いんです。

 

そうこうするうちに、俳句で云う「数え日」になりました。「あぁ、今年もOO日」と

数えられるようになる、という意味の季語。私はこの季語が好きなんです。

 わが町内では3年前から「夜回り」(お役所言葉では“歳末警戒”と呼びます!)を始め

ました。喜んだねぇ、アタクシ。これが大好きなの。拍子木の響きが溜まんなくいいのよねえ。

「火の用心・カァ〜ン、カァ〜ン」という、あの瞬間が好き!! まったく、変わった趣味と

言われるかも知れないけれど。で、仲間と町内を一回りした後は、「寒かったわねぇ。」と

お疲れ様の一杯!  近所の人々と、年に2〜3回の貴重な交流タイムです。今年は、

「9月に越して来ました」という若いパパが参加して下さり、一同大歓迎。楽しかったですよ。

 

こうして、あっという間に今宵は大つごもり。 ゆっくり片付け物をし、ぐだぐだとテレビを

見て。世間では、きっと大忙しの時なのでしょぅに、どうも相済みません、て感じです。

雨という予報ではありましたが、もしも、降らないでいてくれたら、毎年恒例、近所の由緒ある

禅寺へ、除夜の鐘を撞かせて貰う、順番札を貰いに出かけます。23:20位までに行きますと、

割と若い番号が頂けるのです。

 

皆さま、どうぞよいお年を!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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