マリア・カラスを知ってますか?

2019.1月。 「私はマリア・カラス」という映画を見て来ました。仕事先の

博多で。ちょっとした時間の切れ目に。

この、20世紀最大の天才歌手が没して42年、今にしてまったく色褪せない

彼女の才能に改めて出会えた幸せな2時間だった。

 

 私は若い頃を、オペラとはほとんど無縁に過ごしてきた。唯々、自分の

目の前の勉強に追いまくられていたからだ。「音楽で生きて行きたい」と

思い染めた中学生の頃。高校・大学の受験。大学生時代の恩師の、強烈な

「シゴキ」・・ 学生を終えれば、社会の中でどうやって自分の立つ場所を

見つけられるのか。結婚、子供、海外転勤。女の20代はなんて忙しかったん

だろう。 

 

そして、36になった時。とんでもない才能のピアニストに出会って。

意を決して、本当に意を決して「教えて下さい」と門を叩いた。そして言われた

ことは。「あなた、モーツァルトのオペラ、幾つ見ました?」・・・

 

オペラというもの、私の年代の日本人には、一番遠い所にある科目ではなかった

ろうか。何しろ、日本人が演じるオペラは、まだまだ発展途上にあり、外国からの

「来日公演」は、それこそ「高峯の花」だった。(高値の・・でもあって)

しかし、そのハンガリー人ピアニストに言わせると、「モーツァルトの曲を

弾こうと言うのに、彼のオペラを見たことがない、なんて考えられないわ」と。

 

 今では「まったく以てごもっとも。当然至極です」と思います。が、しかし・・・

 

そうしてしばらく、私はオペラを見まくった。当時はまだDVDが主流ではなく、

レーザーディスクかビデオの時代。本物も、お財布はたいて観はしたが、とても

追いつきませんからね。

 

そうこうするうち、マリア・カラスの盛名を知ることになる。初めて接した時は

驚きましたね。「何なの、この人」って感じ。すごい声量、技術、図抜けた容貌

等など。加えて、ギリシャの大富豪・アリストテレス・オナシスとの華麗な恋。

アオナシスの前・アメリカ大統領夫人・ジャクリーヌ・ケネディとの電撃結婚

etc・etc。 話題豊富な事と言ったら。

 

しかし、今回のクロニクル的映画で、この歌手のとんでもなさを改めて思い知った。

映画には、沢山の彼女の最盛期の舞台での熱唱が取り上げられるのだが、どれを

見てもとにかくすごい! 彼女の素晴らしさは、声の中に住んでいる得も言われぬ

「抒情」だと思う。本当にその役の「心情」をカラスは、天から与えられたその「声」

という資質を使って、余すところなく吐露する。 多くの人が彼女の歌う劇中人物に

涙したというのもうなずける。

 

 このブログを読んで下さっている方も。どこかで見つけて、観て下さるといいなぁ。