東京で見るオルセー美術館展

 パリはセーヌ河畔に立つオルセー美術館は、中身の美術品の素晴らしさは言うまでもありませんが、街から見た、その「立ち姿」もとっても素敵なんです。
1900年のパリ万国博覧会開催に合わせて、オルレアン鉄道によって建設されたオルセー駅の駅舎兼ホテルであった建物なんだそうですが。

私は、パリへ行くチャンスがあると必ず、ここを訪れる。入っただけでとっても幸せな気分になれるのです。
ロダンの彫刻の群れ、中でも「天国の門」の大きさと精緻さに圧倒されますし、美術の教科書で何度もお目にかかるミレーの「晩鐘」や
「落穂拾い」にも会えます。(何にでも感動すると、その次・の行動に走ってしまうワタシ、ある年のパリへの旅で、素敵なお嬢さん一人を伴にミレーがこれを画いたであろう“ヴァルビゾン”の野原へ、自転車を走らせて、夕焼けを見に行ってしまった!)

アール・ヌーヴォーの家具や、ガレの作品たち・・ 挙げればキリがない程の絶対的な美が詰まっている空間です。

その作品群が東京へやって来ました。今回一番の呼び物はマネの
「笛を吹く少年」です。あまりにも有名な。

夏休みの一日、孫二人を連れて朝、一番に入場。これは大正解でしたね。我々の後、15分位でわぁー〜と混み合って来ましたから。
三人分のイヤフォンガイドを借りました。私は最初、むしろガイドを聞かないで、自分の想いで見てみようかな、と歩き始めたのですが、
中学1年の孫息子が、しきりに「スゴイ」とつぶやきながら目を輝かせているのを見て、一体何に感動しているのか、知りたくなったのです。これはよかった。パリのオルセーにも日本語のガイドはありますが、やはり日本での展観の為に日本の専門家が力を尽くして制作したガイドは、又別の説得力を持つものだったからです。

 
私はどんな美術展を見る時でも、出来れば一人で歩きたい。絵も彫刻も、あるいは大好きな東洋陶磁器でも。難しい美術論とは無縁な人間ですが、いや、それだからこそひっそりと作品を眺め、沈黙の中で対象とおしゃべりがしたいのです。その点では外国の方が環境がいい、とも言えます。近くでの連れ同志の会話が解らない方が楽!
だから、最初はガイドなしで、と思ったのでした。

作品数は限定されていますが、ひとつひとつの背景を丁寧に解説してもらう、というのもいいものなのだということが改めて解りました。
又、13歳に5か月足りない少年に、この「初めて体験」がどんなお土産を残すのか、もとても興味のあるポイント。
これもおばば様の予想を超えてなかなかの好成績! 面白いコメントを残してくれました。小学校4年生の少女には又、別の受け止め方があったようで。こういうのを、傍で見ているというのもなかなかに
オツなものです。
いい、夏休みの一日でした。