俳句の愉しみ・・・ 私が俳句に出会ったのは、丁度45歳の時でした。
騙されたんです!! ある日、リンとなった電話。「京子チャン、ハイキングに
行かない? 鎌倉に住む友人が、観光客が来ない、静かな寺を案内してくれる
っていうんだよ」と。 当時は、実によく働いていましたから、ちょっと休憩・
普段しないことをするのもいいかな、と思ったのでした。 所が友人はヘンな
事を言う。(彼は某大新聞の経済部記者です) 「必要なものは皆こちらで用意
するから、筆記用具だけ持って来てね」・・・ハイキングに、筆記用具??
とは思ったものの、まぁ、いいか、とついでに娘の書きかけの「キティちゃん」
のノートをひっつかんで出かけました。
鎌倉駅前の集合場所に行くと、三々五々、人が集って来ます。
それは男性が多く、女は私と、そもそも、その記者を紹介してくれた、女性
弁護士だけ。男性軍は、ほとんどがリュックを背負い、何だか「やる気満々」の
感じ。 件の新聞記者氏の、「あ、この人が今日の宗匠。OOさん」の声で
出発です。「宗匠」って何?? ハイキングに行くのに・・・
何が何だか分からぬままに、最初の寺に着くと男たちは銘々、あちこちに
陣取って、リュックから取り出したノートを広げて何やら書きつけています。
私は三紀子さん(頼りの綱の女性弁護士)にそっと聞きました。
「あの方たち、何してるの??」 「えっ、京子ちゃん、聞いてないの? 今日は
コレ、俳句の吟行会なんだよ。しばらく歩いたら、油壷のマンションで、句会」
ヒャー! 聞いてない、聞いてない!! 何、それ! ですよ。
でも、来てしまったからには、皆さんの気分を壊してはいけない、と
それからは「宗匠」と紹介された人の周りをウロチョロ。 「この花は何と
云うのですか」とか、あの鳥は何ですか、と質問攻め。
俳句、なんて一度も作ったことない。でも、五・七・五で出来ているらしい、
とか、季語、というものが有るらしい、位のことは知っていた。でも歳時記が
ある訳でなし、何を読み込むのかは五里夢中。 でも、さぁ。季語ってのは、
何でも季節の花とか、入れればいいんじゃない?? と生来の脳天気。
頃は丁度春のお彼岸でして、鎌倉は梅の盛りでした。 すると、その時、
「雲水」が通りかかった。笠をかぶり、手甲脚絆を巻いた長い手足の、妙に白い
のが気になった。(えっ? 外人??)
その瞬間に出来たのがこの句。
<外っ国の雲水過行く梅の寺>
さて、「句会」というものも初体験。 いろいろと作法があり、側の人に
教えて貰いながら、進んでいきます。
で、何が何だか分からない内に、アタシ、その日の「一等賞」になっちゃった
んです。 一番びっくりしたのは私。
で、「あなた、もう逃げられないわよ。彼ら、結構本気で、俳句に取り組ん
でるの。初めての素人さんに一等さらわれて、放っといてくれるはずがない」
だなんて、おそろしいことを言う、三紀子さん。
そんな訳で引っ張り込まれた俳句の世界でしたが、言われるままに、月に一度
会合に通う内、何だか面白くなって来て。爾来、30年余り。 いやー、これが
面白いのです。
俳句の効用 その1
・ 趣味ごと、と云うのはとかくお金がかかるもの。 ゴルフは元より、魚釣り
だって釣竿だの、魚籠だの・・
所が俳句の初期投資は、歳時記だけ。後は鉛筆と紙があれば事足りるのですから。
その2
・ 俳句はいつでもどこでも考えられます。電車に揺られながら、車窓から見た
景色で1句!
その3
・ 日本語の奥深さ、美しさに目覚められる。本当に知らなかったことだらけ。
花の名前、古来から伝わる行事のゆかしさ・・・
その4
・ 仕事以外の世界に仲間が出来る。 これも素敵な効用。
如何です? 皆さんも 始めませんか?
土田と一緒に、初めて見ようか、という方。いつでも、このHPからご連絡下さい!!!
]]>実を結びました。
ヤマハから出版した3冊の本、「和声法がさくさく理解できる本」・
「和声法がぐんぐん身につく本」・「絶対わかる 和声法 100のコツ」は、
有難いことに堅調に売れています。これほど多くの読者を獲得できるとは、
当初誰も想像しなかったこと。
その間に、私には次なる夢が沸いて来ていたのです。
和声法は難しい、嫌だ、分かりっこない・・・こういう誤解を吹き払い、
和声法が解かると、どんなに音楽がよく見えて来るか、楽器を弾くのが
楽しくなるか。和声法を食わず嫌いしないで欲しい !! この思いで
走ってきた訳ですが。
たくさんの読者からメールを頂きました。 質問だったり、「あなたの塾に
参加したい」だったり。 そして、塾に併設した「和声法課題を通信添削で」
という倶楽部にもかなりの数の方が応募して下さいました。 とても
嬉しいこと。
しかし。欲張りで「夢見る夢子チャン」なアタクシの中で、段々と膨らんでいた夢。
それは「私の本を読んだら、自分でも和声を書いてみたくなってくれないかなぁ。
その為には、本だけでは不十分で、動画でお話をしたい。動画なら、一緒に楽譜を
みながら、このバスには、どんなソプラノを書けばいいかなぁ」と悩んでいる
京子センセと一緒に悩んでもらえると思うんだよなぁ・・・ということでした。
それでも実現までには、いろいろな障害が。何せ、本人がかなりなITオンチ、と
来ている。一体、何から手を付けたらいいのか解かりませんでした。
その癖に、弟子に勧められて「手始めにyoutube というものを始めたい」なんて
思いついた。無謀ですよね。 所が。世の中には素晴らしい人がいるのですよ。
「先生、私、そういうこと仕事の絡みもあって割と解るんです。お手伝いしま
しょうか?」という天使が。
「お手伝い」どころではありません。ほとんど、オンブにダッコの状態で、
youtube で和声の話を配信し始めた。 管理者のお陰で、チャンネル登録者が
250人位にもなっています。 望外のことです。
しかし、何せ当の本人が素人ですから、慣れて来るにつれ自分に不満が出て来ます。
何とか、プロに撮影してもらって、もう少し自由度の高い画面にできないかなぁ。
楽譜を見ながら、情報共有がしたいなぁ・・・
で、やっと今回、出来たんです。
お約束として、前に挙げました私の3冊の本をお求め頂いている、という(ちょっと
厚かましいのですが)前提で、本に沿って話を進めています。
40−45分の動画を6本撮りました。今度はプロが撮った映像ですから、きれいに
撮れている。 1−3までと4−6をセットにして販売します。
各2,500円。 1−3では「和音の作り方」から説き起こし、3和音(音が3つで
出来ている和音)の話。バスをその3つの音のどれが受け持つかで、響きの印象が
変わることや、それぞれの形の呼び方など。そして、実際に「混声四部合唱」を
書いてみる体験をご一緒します。
第2シリーズ(4−6)では、「ソプラノ課題」の説明をして、更に音が4つある和音
のお話をしています。V7 と?7です。 そしてちょっぴり、「特殊な和音・
ナポリなど」にも触れている。
これが出来たことで、「先生、私のように東京から遠い街で暮らしている者も
ご本と動画で勉強できますね。嬉しいです」と、言ってくれた生徒もいます。
更に、完全な自学自習が中々に出来難い、和声法のことですから、併設の
「通信添削倶楽部」を活用して、是非とも皆さんに和声を身近なものにして
頂きたいのです。
動画の説明、試し視聴、そしてご購入は私の youtube からどうぞ。
]]>
会場:JR 箱崎 徒歩5分 田中音楽教室にて
2019年から学んで来ました「はじめての音楽史」(片桐 功・久保田
慶一他共著)が2020.12月で20世紀の音楽の姿を眺める所まで参りました。
音楽の始まりであるギリシャ、次にものすごい広さの大帝国を
築いた紀元前の古代ローマ帝国の時代、そしてキリスト教が
すべてを覆い支配した中世のこと。
音楽の歴史を外側から包んでいる「ヨーロッパ・って何なの
だろう」という疑問を解きほぐしてみたいのです。
一層の「知の世界旅行」の試みは、我々に沢山の知恵を見つけ
させてくれました。
で、一段落したのを機に、案外向けてこなかった自国、日本音楽の歴史を
紐解いてみよう、という事になりました。
これは大切に視点です。 おかしな話なのですが、わが国では、西洋音楽・クラシックは
学んでも、自国の音楽には関心が薄いということがあります。 10年近く前、文部省が
このことの不自然さに気づいたものか、中学校の音楽教科書に邦楽が取り入れられました。
我々の仕事世界でも、邦楽に関する知識は必ずどこかで役に立ちます。
という事で、しばらくこの方面へ目を向けてみようと思うのです。
これまで続けて来た、「三善・メソッド」も、ピアノを学ぶ方、叉、
ピアノの先生方、ご自身を再発見するために、お弟子さんに、新しい
素敵なプレゼントとしてのレッスンを展開するために、ご一緒に学ぼう、
も続けていきます。 2023.7/13は 第7巻 P.56 からの学びます。
詳しくはお問合せください
三善 晃 氏は、私の師匠・矢代秋雄 の大親友でした。
分析を90分、メソッドを60分の予定です (12:30終了予定)
新しい方の見学を歓迎します。
次の次 2023. 8月 24日(木)
会場は JR箱崎 から徒歩8分 田中音楽教室にて
● 個人レッスン (ピアノ・楽曲分析・和声法)
今月は一人のレッスンを予定。見学をご希望の方は
ご相談下さい。今の所、もう1コマのピアノ個人レッスンを募集しています。
フランス式和声法を学ぶ in 博多
2023. 7.12. (水) 10:15~12:30
会場: 福岡市・ 並木スクウェア にて JR千早駅1分
⁂ 土田京子の新しい和声の本「和声法 100のコツ」が出版されました!
今までの教科書的な本ではなく、「和声法」つて、それ、どんなもん? という
疑問に答える楽しい本の出現です。読んで下さい
直接お申込み頂いた方には、ご希望があれば、著者サインをしてお送り
します。
テオドール・デュボァ の「和声法」からフランス方式の和声法を学び始めた私たち。
今は少し進化してアンリ・シャランの「380の和声課題」への取組みも次第に板に
ついて来ました。
初めての方には、土田京子の「説き語り和声法」(今は「和声法がさくさく理解できる本」という
タイトルの文庫本)をテキストに選ぶ方も。初心の方も歓迎します。
土田の2冊めの和声の本・「スーパー和声法」は、2018.8.20.「和声法がぐんぐん身につく本」と
して、こちらも文庫本になりました。この本には課題が充実していて好評。こちらから始めるてみても
いいですね。
進度はさまざまで、和音外音を駆使する人、初歩から一づつ小石を積み上げていく人・・・
違いを見聞きしつつ、自分の歩を進めるのは楽しい。
次々回・・ 2023. 8. 23. (水)
和声法を学ばないで、西欧古典音楽を演奏することは出来ません。
音楽の成り立ちを内側から支える「和声法」それなのに、この西欧伝統の音楽
技法ときっちり向き合い、「手を取って」教えてもらえる場所は、本当に
少ないのです。新しい仲間の参加を歓迎します。
素敵な仲間のおかげで、10年以上も続いている貴重な勉強の場。
メンバーは変わっても、学ぶ情熱が受け継がれていることは素晴らしい。
どうぞのぞきにいらして 下さい。
⁑ 和声は銘々が、書いて来た課題を土田が見て問題点 を指摘する。
仲間との見比べによって自力で問題点を見つけて行く人もいます。
1か月に1度しか会えないので、その間は「通信添削」で補います。
あなたもどうぞ、見学にいらして下さい。
コロナに負けず、感染防止に心しつつ、催行しています。申し込み・当HPの「お問い合わせ」からどうぞ。
塾生たちの熱心な希望に動かされて、「バッハ平均律第2巻・フーガの分析」の2巻が終了しました。
フーガの分析を、納得の行くまで付き合って教えてくれる教師、というのは実に少ない。これは誠に大きな不幸です。
私が14歳(中学2年)から大学卒業まで、ピアノを教えて頂いた「遠山つや先生」は、20世紀ドイツ・ピアノ
界の重鎮・エドヴィン・フィッシャーの弟子だった。第1次大戦後のベルリンで、フィッシャーのクラスに
日本女性が、と考えるだけでワクワクしてしまう。我らにとっての大変な先達だった方です。
エドヴィン・フィッシャーと言えば、バッハの演奏に定評があり、私も初めてフィッシャーのバッハを、復刻された
CDで聴いた時は、本当にゾクッとしましたよ。 何とも言えない風格があって。
従って遠山先生のバッハのレッスンはとても厳しいものでした。おまけに私が作曲科の学生、ときているから
ピアノ・レッスンにフーガを持っていく度に「ここはどういう形になってると思う?ちゃんと考えて、調べて、
解って弾きなさいよ」と仰られた。
一方、作曲の師・矢代秋雄先生がこれまた、大のバッハ好き! 勿論、分析は細かく教えて頂いたし、ユニークな
指使いの知恵とか、曲の理解についての発見とか・・・「ねッ、君ィ。ここの所、どう弾いてる?僕さぁ、ふっと
思いついたんだよ!ここ、こういう風に解釈すると、曲がかなり姿を変えてみえるだろ?だからぁ・・・」
こういう時の先生は本当に嬉しそうで、まるで小さい子供が、石ころの宝石を見つけた時のようなのでした。
そんな風に、とても幸せな学生時代を過ごしたものだから、バッハの楽譜を読んでいることは、本当に面白くて
仕方がない。
しかし、世間一般、ピアノの先生をしている若い人たちの多くは、「バッハは苦手」という人が案外多い。
特にフーガは難解だ、と思われているようです。その「思い込み」(あなたがお持ちでなかったら何よりですが)
を打ち破りたい、とクラスでの勉強を再開しています。
塾生たちの希望もあって、今度は Prelude にも目を向けつつ、Fuge との関連性を見て行こう、と
いうシリーズの始まりです。 毎回、1−2巻の同じ番号の曲を取り上げます。
新しい方の参加を歓迎します。
とりあげる曲: 平均律1-2巻のNo.4 cis moll
京都・大阪・博多と、次第に広がる「土田塾」の滋賀版。JR唐崎駅から徒歩8−9分の距離です。
コロナに負けず、感染防止に心しつつ催行しています。興味のある方の見学を歓迎します。
次の次 の回 2023. 8.22.(火)
HP「お問合せ」からお申込み下さい
長い「閉じこもり」を強いられていた私たち。 みんな、いい音楽に飢えていたのです。
とは言え、まだ警戒態勢を解けない気分の方も沢山居られるのでしょう。入りはボチボチ
ながらも、音楽会の開催数は確実に増えています。
11月5日と6日。私は滋賀県高島市、という所へ出掛けました。
敬愛するピアニスト・上田晴子さんの公開レッスンを聴くためです。 受講生は主として関西
で音楽を学んでいる人々。学生さんと、中には学校の先生をしながら、演奏を続けている方も。
久し振りに聴いた、上田さんのレッスンには啓発される事数多く。 とても幸せな気分に
なりました。
翌日。11月6日は、同じ「ガリバーホール」という、高島市民ご自慢の音響の良いホールで
今、売り出しの若きチェリスト、笹沼 樹 さんと上田さんのリサイタル。何とも豪華な
企画です。 これは、私の旧い弟子であり、同志とも云うべき女性が、地域の志を同じくする
人々とちからを合わせて立ち上げた企画です。 かかわってくれる人々の、情熱の素晴らしさが
胸を打つ音楽会でした。
リハーサルからみっちり聴ける、何とも豪華な時間。笹沼氏の実力派、ここ一両年とみに楽界
の耳目を集めていて、スケジュールは詰まってきているようです。 実に爽やかな人柄に加えて
彼の音楽は活力に溢れていて、深い処から音楽を汲み上げて来る力が殊に素晴らしい。
チェロの師、堤 剛氏も私には心から敬愛する友人ですし、室内楽を共にしつつ、手塩にかけて
おおきく育てようとしている、上田晴子さんの情熱の程を、「そりゃあ、気合が入るだろうよなぁ」
と思って聴きました。 室内楽の面白さは、出会った音楽家の魂が、出会い、ぶつかり、突然
溶け合う瞬間を共有することにあります。聴衆も又、その「変容」の中に生きられる。こんな
経験は、そういつも経験できるものではないのですがね。 この日の演奏は、まったくそうした
ものでした。 澄み切った奥滋賀の空気を胸いっぱいに吸って、至福の時間を振り返りながら、
次の仕事場へ向かいました。
東京へ帰って。11月14日。 すみだトリフォニーホールで。 「アルゲリッチと仲間たち」を聴く。
アルゲリッチを生で聴くのは初めて。ヨーロッパででも、なかなか切符が買えません。
海老彰子とのDuo も面白かった。 海老さんは大学1年の時に、ちょっとお付き合いがあった人。
今や、大先生になられましたけれど。 彼女の30代初め位までは、よく切符を頂いて聴かせてもらって
いたのですが、ここしばらくは聴くチャンスがなかった。 そして、この日。「芸格」という言葉を
度々思いました。 本当に立派になられたなぁ、と。
そして、アルゲリッチ。日本の若い音楽家を育てよう、という意味合いもいあっての会でしたから
辻 彩奈のVnで、FrankのVn Sonata を聴いた。 何度も何度も聴き、自分でも友人と弾いた曲なのに、
「はぁ~、こう弾くのかぁ」としか言えなかった。 これは誰とも違うフランク。 アルゲリッチの
フランク だと。凄い人です。
続いて11月21日。 ヴィクトリア・ムローヴァ(旧東独のVn) がストラディバリウスのピリオド楽器と
モダンの両方を弾き比べる、という素敵なプログラム。 武蔵野市民会館は我が家からはちょっと
行き難い場所にありますが、頑張って出かけました。 健康で、音楽会に出掛けられる今、に感謝しつつ。
ガット弦で弾く、弓も当然に違うというのは、演奏家にとっては大変な事なのだ、ということを、知人の
チェリストが何年もかかって乗り越えてゆく有様を、近くで体験して来ました。それだけに、このクラスの
音楽家が、どんな演奏をするのだろう興味が有りました。彼女の凄さは、昔聴いて知っていたから。
そして、期待に背かない充実の音と音楽を聴かせてもらった。
]]>
始めました。
この「フーガ」というもの、どうしてこんなに敬遠されるのだろう、と思う位、
「敬して遠ざけられて」います。それは、この最高度に洗練された対位法様式に
よる楽曲の構成を、きちんと教えてくれる人が少な過ぎるから。
音楽大学でピアノを専攻する学生で、バッハのフーガを学ばなかった人は
皆無でしょうに。皆、その構造に注意を払わず、「わかっていない自分」を
訝ることもなかった、というのが現状ではないでしょうか。
我々、音楽理論の教師も、どうもこの問題から逃げていたように思います。
しかし、逃げて済む問題ではないのです。
ここらで、じっくり取り組んでみましょうよ。
2020.7/22の第1回は、フーガの基本構造を学び、最も取り組みやすい、平均律の
第1巻・16番のフーガを分析しました。
そして回を重ねて。 2022.5月には、ついに平均律の2巻に入りました。
フーガの書き方から見ると、1巻と2巻には結構な違いが見受けられます。とても面白いのです。
どうぞ、一度見学にいらして下さい。そして、仲間になって下さい。
次回 時: 2022. 6.13.(月) 10:00~12:30
所: 東京・練馬 土田スタジオ (地下鉄・有楽町線+副都心線 「氷川台」徒歩4分)
課題曲 Bach 平均律 第2巻 2番
参加費: 入会金 5,000円
毎回 5,000円
欠席の月 2,500円
]]>「和声法はほとんど未経験です」という方と、 通信添削で和声法の勉強を
始めようなんて。考えたこともありませんでした。「そりゃぁ、無理だわ」と。
しかし、ニンゲン喰わず嫌いはいけませんね。 出来るんですよ! これが。
私にそれを教えてくれたのがコロナ騒動でした。
2020年の春に始まった、このかつて誰も体験しなかった異常事態。最初は
「まぁ、1−2か月我慢して・・そのうち、いいお薬がみつかるんじゃなぁい?」
程度の認識でした。が、しかし。ほとんど丸2年に及ぶ異様な生活が降って来よう
とは、誰も想像しませんでしたよね。
巣籠り・・巣ごもり。 しばらくはのんびり構えていたのですが、段々長く
なると、不安になって来る。大体が、「和声法が大好きです」という人は
多くはなく、「学生時代には、とにかく嫌いでした。でも、仕事を始めてみると、
この能力がないと困るということが、身に染みて解って来ました。イチからやり
直したい」という、奇特な方の出現を待ちに待って始まったクラスです。
そんなに長い間、休んでいたのでは、肝腎のモチベーションが下がることが
恐ろしい。 そこへ、思いを同じくする生徒が一人、「先生、前からある通信
添削に、ビデオレッスンを組み合わせたら、対面に近い勉強が出来ますよ! やって
下さい」との申し出。 半信半疑で始めました。
郵送による、通信添削は何年かの実績がありました。が、月に1回、会って
レッスンしている人との補充・としてやって居るのが本来で、対面はほとんど
なし、という環境には強い不安がありました。
それを埋めてくれたのが、ラインのビデオ通話だったのです。
対面には及ばないものの、通信の最大の強みは距離を越えられることでした。
事実、最近では、私の本を読んでくれた読者から、よく申し込みを受けます。
まずは読んで貰えるだけでも嬉しいのに、実際の勉強をしたい、と言ってもら
えるのは著者としては果報の至り。 和声法は何と言っても実践が第一。文章を
読んだだけで、演奏や鑑賞の力を盛り立てるのは難しい。
まずは「和声法・って、どんなものなの?」という興味を持ってもらいいたい。
次に、「じゃあ、実際に解答を書いてみたい」となってくれると、本当にワクワク
嬉しいのです。 大好きな事を共有する、ってのはいいでしょ?!!
会って勉強・に越したことは在りませんが、日本はやはり広いのです。地方に
お住いの方とでも、共に学べる方法は有難い。
しかし。それでも書面のやり取りだけでは、言い尽くせない微妙な点はあるのです。
そこで、「コロナに追い詰められたお陰で・・」始めたビデオレッスン。不備もあり
ますが、やってみると中々結構なのですよ。そして、実施しているうちに「こうすれば
より分かりやすい」といった知恵もついて来ます。若い人のIT 能力を分けて貰いながら
かなり進歩しました。
最近、嬉しい申し出がありました。熊本市在住の、素晴らしい音楽力と勉学意欲を
持つ女性から「楽曲分析をビデオレッスンで」というご要望が。
これまで私は「分析の本は書かない」と言い張って来ました。出版社から「この部門も
ニーズはあるのですがねぇ」と水をむけてもらったことは何回かあるのですが。
その壁を彼女が突き崩してくれたのです。実際にやってみると、出来るのですよ。
対面に較べると目の前でピアノを弾いてもらうのと違って、演奏内容にコメントできない、
というもどかしさは残りますがね。本で書くのは、未だに消化不良になりそうだ、と
気が進みませんが、動画でなら十分に可能だ、と手ごたえを感じています。
事前に、文書で提供できる情報を互いに交換して置いて、なのですがね。
分析と云うのは、「現状よりも、より良い演奏が出来るために」するものです。
曲を観察し、分析した後で弾いて貰うと、驚くほど演奏がよくなる!! そこで、
どういう点でよくなったのか、もっと良くなるには・・と実際的なアドバイスをする
・・という段階に進む。 ここに少し不満が残るのではありますが。
それでも、熊本から飛行機に乗って、毎月東京の私のスタジオまでいらっしゃい、
は現実的ではありません。
こんな方法があり得たのか、と現代の技術革新に目を丸くしているのです。
あなたも試してみませんか?? !!
]]>ある日 突然 !
「病気はいつだって、突然よ」と、きわめて冷静な友人にガツンと言われてしまいましたが。
私にも、その「突然」がやってきてしまった。 急に心臓が痛くなり、流石に呑気な私も
「こりゃあ、普通じゃないな」と思ったのです。で、近くのかかりつけ医に飛んで行った。
調べても、大したデータは出てこない。普段の私なら「ほーらね、私は丈夫なのよ」、となる
所。が、しかし。今回は虫の知らせか「もう少し詳しくとお思いなら、大きい病院を紹介しま
しょうか?」というドクターの言葉にうなずいていました。
そして、次の病院のドクターの口から出た言葉は。「OO症です。入院して対処しましょう」
はぁ~~??!! アタシが入院。 中学生の時の、盲腸以来の椿事であります。
一番シャープな反応を見せたのは、連れ合いでした。そりゃ、そうです。若い頃はともかく、
トシぃ取りますとね。カミさんにひっくり返られると、男にとっては実に厄介ですから。
というので、色々と面倒なことが続いた2か月ばかり。飛び飛びに病院のご厄介になりました。
幸い、命のやり取り、という程の事ではないらしく、お医者様が冷静だったのが救いでした。
患者はいつだってドッキドキですからね。それにしても、現代・ニッポンの医療技術というのは
素晴らしいのですねぇ。お陰様サマで退院とはなりました。
あまり、人様に話すことでは無けれども、私の場合、あちこち、仕事やお稽古事の約束があり
ますから、どうしても話は広がります。京都・大阪、博多の勉強会々員にも。
皆、励ましてくれて「ちょっと疲れた所を手当したら、先生は前より元気におなりですよ」と。
有難いことに、その予言は当たり、現在は「おぅ~ 、復活!」なのではあります。
去年の秋の「減量作戦」の着手に端を発した、この一連の出来事で学んだことは。
何事も早めの用心、的確な対処、という事。 今回の有難い、は出会ったドクターたちが有能、
且つ親切で、温かかった事でした。「あなたは病気です」と言われた時、人は本当に不安な気持ちに
なります。その時にお医者さま、看護師さんが優しいと、実にほっとする。
有難うございました、と心から思った出来事でした。
]]>
来ていました。それでも仕方がないので家籠り。しかし、余り若くない者と致し
ましては。脚力の衰えが気になる。とにかく「面白くない!」ことおびただしい。
そんな折、ふとした宣伝文句に誘われて「女性だけの」「30分で出来る筋肉
トレーニング」といううたい文句に、ついフラフラと。
という訳で近くの体操倶楽部へ通い始めました。
初日。まず「計測」がありまして。身長・体重・・(イヤだわん!)と思った途端。
「ウッソー!!」いう数字が。 これはショツクでありました。ここしばらく、
殆どそっち方面には興味を持たず、食べたいものを食べていた、かも・・
それにしてもこれは捨て置けぬ数字だったのです。
で、その日から「厳重ダイエット」をスタート。家族がびっくり。しかし、
頑張って取り敢えず3Kg減量。まぁ、あとはボチボチやりましょ、と。
いまは何とか許せる範囲までたどり着いた。油断なく気はつけなくちゃ
いけないんだけれども。
もう一つ計測でびっくりさせられたのが「血圧」です。これ又「機械、
壊れてませんー??」という数字。で、かかりつけのお医者に飛び込んだ。
これは以前から「気をつけなくちゃ・サイン」はあったのに、まぁいいや
で放置していたのでした。
先生がおおらかな方で、「まぁ、確かに高めだけれど、そう泣き叫ぶこと
でもない。薬を飲みましょう」 元来、薬嫌いのアタクシ。友達なんか
薬の問屋に部屋でも貸したか、という量を飲んでる人、居ますけど。
1種類「用心のため」に飲まされているだけのヒトが、もう1種類追加。
面白くはないが、致し方なし。一応、もう若くないんだから、と自分を説得。
それにしても大切なのは運動なんですって。家族にそれは前々から言われて
ました。とにかく、歩くことよ、って。で、連れ合いと一緒に気合を入れて
歩くことにしました。
これがコロナがくれた一番の贈り物。仕事時間を減らされたけれど、勉強時間
が増え、健康に心を向けられた。コロナにも悪いことだけじゃなかったわ、
という訳です。
で、結果はよく眠れるし、身体を動かすと気分はいいし、なかなか悪くない
ことが自分の周りに渦巻き始めました。この辺で、身体にも耳を傾けて、
必要なテコ入れをしつつ、後もう少し、勉強と遊びに精を出そうと思った
のでした。
]]>
私には無理だ、と思っていたのですが。素晴らしいプロデューサーが
天から降って来て。実現しました。
「和声法の話をしよう」というタイトルです。和声法ってどんなものなのか、
何の為に親しんで欲しいのか、と云ったことの話から始めて、具体的な課題の
解き方などをお話しています。
一度、見てやって下さいませ!!
]]>
あれは2005年でした。
「説き語り楽典講座」の初版が出版されたのは。長い間、ある雑誌に連載したものを、
「本にまとめて置いたらどうですか」と云って頂いて。私にとっては初めての本でしたから
思いで深い作品です。
A6版の方が、見やすい、との思いも在りましたが、和声の本2冊が文庫に姿を変えて
とてもたくさんの方に読んで頂けた現実。持ち運びの利便とは、なかなか大きなものなのだな
と理解しました。この度の衣替えに際して、あちこち手を入れて、さらに読みやすいものが出来ました。
楽典は、音楽の基礎の基礎。音楽が好きな方々にどうしても知って置いて頂きたい話です。
又、私はそれに加えて、音楽史の入口への誘(いざな)い、を書き加えました。
音楽史は、是非熱心に学んで頂きたい科目ですが、しっかりやるゾ となると、範囲と云い
細部と云い、なかなか大変な相手です。それでつい、放っておく・になりやすい。それで、
いつかしっかり学ぶ時への手引きとして、大づかみな歴史の流れをお話ししています。
更に。オーケストラで使われる楽器の紹介とか、いろいろ欲張った内容が小さな本に
詰まっている。便利な本です。
この本が出版されとき、私の生徒が愉快なニックネームをつけてくれました。
「電車の中で読める楽典の本」というのです。難しい、ムズカシイ・と言われる音楽理論も
語り方によっては、肩が凝らないよ、と。
直接に私からお買い頂く方には、ご希望があれば、著者サインをしてお送り致します。
このHPの お問い合わせ からお申し越し下さい。
]]>襲われて、友人との接触を阻まれて暮らしました。
何と言っても、人と会うこと、が仕事だった私が、家族以外の人間との
接触を極力絶って暮らしたのですから、相当なストレスです。
始まりの頃は、まだ何が何だか分からずに、急に降って来た自由時間に
目を回しながら、やりかけた仕事に集中。幸い、ちょっと神経を張り詰める
作業があったので、時間を持て余すこともなかった。
生徒は見事に、一人もやってこない。出かけて行くのもダメ。
1か月近くたった時、これはマズイぞ、と思い始めた。
私が音楽理論の教師として働いてきた中で、一番情熱を注いだのは、演奏を
する人々に、「自分の弾いている曲を理解し、深く掘り下げてから弾いて
下さいね」という点に心を注いでもらう事でした。
その第一の道具が「和声法」なんです。
叫び続けたこの願いに、耳を傾けてくれる弟子が、この所ぼちぼちと増えて来て
東京、関西、博多と嬉しい成長を見せて私を喜ばせてくれています。
その、折角「出て来た芽」が、1か月レッスンに行けないだけでもよくないのに、
どうやら2か月目も行けるかどうかあやしい。放っておくと、やる気がなくなっては
大変だ、と。 もともと私のクラスでは、月に一度しか会えないのを補充する意味
での通信添削と、いろいろな事情で、私に会いには来られない(遠隔地の)人などを
対象にした「通信添削倶楽部」がありました。
この「強制された長期休暇」から立ち上がるために、ある生徒から提案があった。
「先生、私たちは自分の生徒対象に、オンセライン・レッスンをしているのです。
和声は、オンラインでレッスンするの、可能ですよ。やって下さい」と。
元来がアナログ人間であり、仕事については頑固なところのあるわたくし。
「テレビ電話でレッスンなんて、私には無理だわ」と喰わず嫌いを通していた。
しかし、今回の災難は、そんなことを云って居られない。しからば、と周囲の
篤い支援の許(機械の取り扱いに慣れさせてくれた、家族に感謝です)チャレンジ。
これが、よかったのですよ!! 相手の生徒さんたちとも「このやり方、いいわよね」
と言い合って。 今や、若い人のほとんどが使っているスマホがあれば、ラインが
使えます。通信添削で加筆・修正した楽譜を返送する前に、私はコピーを取っておく。
(この手間が増えるだけのことです) そして、添削された解答を受け取った生徒は
私にビデオで話す時間の予約を取って、電話をくれます。
これのビデオで、相手の顔を見ながら「OO小節の何拍目ねぇ・・・」とレッスン
するのです。今の機械の性能は素晴らしく、しかも電話代を心配しないでいいのが
有難い。 すっかりこのやり方が気に入りました。
私に、関西地方に住む女医さんの生徒が居ます。私が関西へ行く日の和声クラスに
いらっしゃいよ、と云っても平日の午前中、勤務医に自由時間はありません。
会えるのはごくごく稀なチャンスでしかありません。しかし、熱心な人で、しばしば
通信して来ていました。で、早速彼女にも「私、こんなこと始めたの」とメール。
そして、初めてビデオレッスンしての彼女の感想。「せんせ、ほんま、宜しいなあ、
これ。こんなんやったら、はじめっからこれでお願いしたら早かったですねぇ」と。
全く同感です。 自分の喰わず嫌いをしみじみ 反省したのでした。
東京から遠い所にお暮しの方で、和声法を勉強したいと思っておられる方は、
ぜひ、私の「通信添削倶楽部」に参加して下さい。
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オペラシティー
新型コロナウィルスとやらで、どちらを向いても音楽会のキャンセル。
その嵐の中、敢然と催行したカジモトに敬意を表する。
演奏は。「神々しい・唯 神々しい」
聴きながら、心に浮かんだのはこの言葉だった !
今からおよそ30年前。40を少し出たころのシフを、松戸の聖徳學園ホールで聴いた。
Bartok の「戸外にて」がとてもよかったのを覚えている。
そして、30年。シフも67歳になり、私の前に立ち現れた。毎月、唐崎(滋賀)での
研究会で彼のBach・平均律を聴いて、そのあまりの彫琢の深さに感動。どうしても
聴きたくて、大奮発、13000円の切符を数か月前に買っていたのだった。
キャンセルか、とハラハラしながら迎えた当日。早々に会場に着き、待機。
しかし、素晴らしかった。まず、この人の音の美しさ。音楽なんだから、音が美しい
事が何よりも優先。そして、曲に対する理解・同化。自分の中で愛しきったものを
聴き手に零してくれる、この親愛。私は唯、彼の懐に抱きとられて、目を閉じ、
心だけを呼吸させて、母の乳を待つ赤子のような時間を楽しんだ。
言葉に出来ない時間。
この音の玄妙に、わが愛する、ベーゼンドルファーが、大いに力を貸していたことを
思う。製作者・・ 調律師・・ そしてシフの希望により、演奏の合間の拍手はしないこと
が告げられた。将に「静寂が音楽を生む」 会場からは一つのしわぶきも聞こえ
なかった。すべての人が、彼の届ける音楽に同化していた。
曲目
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・休憩 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここまでだって「神様との時間」だったのに。 アンコールが6曲!!!
ただ、ただ、今日自分が生きていて、この会場へ来られたことを
神に感謝した。
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日本中の方が、等しく耐えた長い時間。
私も最初の内は「あらあら~~」程度の困った感、だったのですが。
4月7日、とうとう出てしまった緊急事態宣言。こうなれば仕方がない。
3月終り頃から、ちょっと纏まった時間と集中を必要とする仕事が
ありまして。PCの前に座り込んで2週間を暮らしておりました。
3月から4月の最初までは生徒も来ていて、いつもとあまり変わりは
ない生活。
ところが4月7日から、ガラリと生活が変わってしまった。
3月2日、極く親しいピアニストの、とても楽しみにしていたリサイタル
がキャンセルされたのを皮切りに、ぽつぽつとキャンセルのお知らせ。
この辺まではまだ、呑気で「へ~~、延期なのぉ」程度の受け止めでした。
しかし、4月も10日を過ぎると、本当に嵐のようなキャンセルの通知。
このところの私は「出来る限り、音楽会には行こう」という気分で
ご招待頂くと、ほとんど「伺います」の返事を出していた。普段は
いろいろなことに引っかかって「悔しい、惜しい」と思いながら
聴きたい方の会をもお断り、という事が多かったのですが。時には
生徒に無理を言って日程変更。音楽会を優先させていたのでした。
それなのに、それなのに。かなり残念な「買ってあった切符」を
泣く泣く払い戻しに応じる騒ぎです。
すっかり予定が空きまくり、普段は黒々と書き込みに満ちている私の
手帳に赤ペンで「キャンセル」「~~に延期」がずらりと並んで。
完全家籠りの始まりです。
高校から電車通学して、大学・社会人の生活を通してン十年。こんなに
電車に乗らなかったことは初めてですね。
で、これはいかん、と散歩することにしました。夫と二人でせっせと歩く。
幸い、私の住んでいる東京の西・北地域は、まだまだ緑が多く、歩き回る
住宅街は静かで美しい。「不要不急の外出」とは思いません! と、2日に
1度は8000歩を目標に歩いた。リュックを背負い、中には水筒。普段は
自転車がほとんどですが、歩くというのはいいものです。
まず、普段は見過ごしている町内の変化に気が付きます。「おや、こんな
所に新しいマンションが」とか、「この花、何ていうの?」と、私と違って
花に執心の深い夫に聞きながら歩く。 とても新鮮な体験でした。
疲れると、バス停のベンチで休み、ちょっとカフェに入って。
まだ、カフェが開いていたのですね。4月10日位までは。
所が宣言から2-3日で、一つ、また一つとそれらが閉じて行きます。
それなら、普段なかなか行けなかった銀行の用事をと、届け出をさぼって
いた用事を済ませようと出かけて行って驚いた。 入口にはマスクは勿論、
更にフェイス・シールドをつけた行員が、入場制限をしている。ATMに
並ぶのにも「ここまで離れて」と厳重です。ふ~う、すごいなぁ。そして、
届け出みたいな、ちょっと手間のかかる用事は「大変申しかねますが、
現在は普段の半分の人員で廻しているものですから、もし、お急ぎで
なかったらこの状態が回復してからでは、いけないでしょうか」と、
やんわり断られてしまった。初めての経験。はいはい、失礼しました。
こっちは暇だから普段できないことを、なんて考えるけれども、そりゃあ、
先方には迷惑千万。大変失礼しました、と帰って来た。
こうなりゃあ、家の中のことするしかないな、と30年も溜まっていた俳句の
整理をすることにしました。毎月7~10句発表しただけなのに、12か月
X30となると、相当なボリュームです。欠けている月を考慮しても。
でも、こんなことでもなければ、とても出来ないことですから、せっせと
働きました。やってみるといろいろな発見があります。
夫が側で「こうしてみると、俳句を作るってのは日記を書くようなもんだな」
と珍しくいいことを云う。本当にそうなんです。
はぁ、鹿児島へ旅したのは、この年だったか、とか、おやまぁ、5歳と3歳の
孫を連れて、ぢぢ+ばばで上野動物園へ行ってる!! なんて、思わぬファミリー
ヒストリーが。 コロナがくれたお土産・です。
それも、もう少しの辛抱、という所まで来ました。
有難いことに3月下旬から丸々2か月と10日ほど。コロナにも捕まらずに
風邪も引かずに過ごせたことにほっとしています。
また、少しづつこのブログも書いて、皆様とご一緒したいと思っています。
どうぞよろしく。
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